ヨーロッパの音楽祭

 

【夏のヨーロッパ音楽祭】

夏のヨーロッパは各国で音楽祭が目白押しとなります。どれも豪華なメンバー&プログラムなので、どこに行こうか迷ってしまいますが、ツアーを利用すれば2~3の音楽祭をハシゴすることも可能です。

このページでは日本でも比較的メジャーな音楽祭について取り上げ、概要を説明しています。










 

ヴェローナ・オペラ・フェスティバル】

◆開催地:ヴェローナ/イタリア

開催期間:6月中旬~8月末

概要:オペラがメインの世界10大音楽祭の一つ。会場はイタリア北部のヴェローナ(ミラノから2時間、ローマから5時間)にある「アレーナ・ディ・ヴェローナ」(古代ローマ時代に造られた野外闘技場跡地)。野外でオペラの公演となると、観光客しかいないのでは?と思われがちだが、実は音響もよく、出演者の豪華さ、演出のレベルは世界最大級といっても過言ではない。

アレーナ・ディ・ヴェローナがオペラ上演に使用されるようになったのは、1913年のヴェルディ生誕100年を記念する野外オペラがきかっけであるが、本格的に野外オペラ会場となったのは戦後からである。

1947年には、マリア・カラスがこのヴェローナ音楽祭でイタリアデビューを果たし、フランコ・ゼッフィレッリ(映画監督)の斬新な演出が話題を呼んだ。近年は、イタリアオペラ界の鬼才、ダニエル・オーレンが指揮者陣の中心的な役割を担い、常設オペラハウス顔負けの上演が続いている。

期間が長いため、公演数も半端ではない。2009年のフェスティバルでは、「カルメン」「アイーダ」「トゥーランドット」「セヴィリアの理髪師」「トスカ」等の有名オペラが50公演上演された。

野外だけに、雨が降れば中止&払い戻しとなるが、開演後に降り始めて途中で中止となっても、第1幕が終わった場合には払い戻しがされない点には注意。

チケットの金額は、良席で3万円~、一番安い席で1万円~。ザルツブルク音楽祭と比べると安く、日本公演の半額くらい。

公式サイトhttp://www.arena.it/en-US/HOMEen.html(英語サイトあり)


 

【エクサン・プロバンス音楽祭】

◆開催地:エクサン・プロバンス/フランス

期間:7月初~7月末

概要:近年急成長した音楽祭で、世界10大音楽祭の一つにかぞえられている。エクサンプロバンスはマルセイユに近いフランス南部の風光明媚な古都。世界遺産も100を超える観光名所でもある。

会場は、「プロヴァンス大劇場」「旧大司教劇場」他。1948年創立で、はじめは小規模なコンサートが中心だったが、パリのオペラハウス「シャトレ座」の支配人だったステファン・リスナーが総監督に就任してから大規模な音楽祭へと発展した。それまでは、「旧大司教劇場」前広場の野外オペラが中心だったが、2007年には「プロヴァンス大劇場」も設立され、世界中から大勢の人を集めるようになった。2009年のワーグナーオペラ「神々の黄昏」(サイモンラトル&ベルリン・フィル)は、ザルツブルクイースター音楽祭との共同制作が話題となった。

南仏の真夏の太陽の元でのオペラもなかなか味わい深いものがある。公演後は、街中のカフェが賑わう。

公式サイト http://www.festival-aix.com/


 

【ザルツブルク音楽祭】

◆開催地:ザルツブルク/オーストリア

◆期間:7月下旬~9月初

◆概要:ザルツブルクはオーストリアの西端にある古都(ドイツ・ミュンヘンから1時間半、ウィーンからは3時間)。世界10大音楽祭の一つで、モーツァルト生誕の地であることから、「モーツァルト・マチネ」と呼ばれるウィーンフィルによる演奏会や、毎年必ずモーツァルトのオペラが上演される、モーツァルトを記念した音楽祭として知られている。

期間中は、ほぼ毎日、ウィーン・フィルによる演奏会やオペラが開催されるが、8月末頃からはベルリンフィル、ロイヤルコンセルトヘボウ等の世界のトップオーケストラがゲスト出演する。歌劇団、指揮者、ソリストも世界トップレベルが集い、チケットの高額さや華やかな雰囲気から世界でもっとも高級かつ注目を浴びる音楽祭の一つである。

当初から演劇部門も大きなウェイトを占めており、また原語では「ザルツブルクの祝祭上演」という意味であるため、本来ならば「音楽祭」と呼ぶのは不適当であるが、日本では慣習上「音楽祭」と呼称している。

現在の音楽祭は、1920年に演出家のマックス・ラインハルトが創設したのが源流である。戦後は1956年から芸術監督に就任したヘルベルト・フォン・カラヤンの功績で、世界のセレブが押しかける豪華な音楽祭となった。カラヤン亡き後は低迷の時期が続いたが、それを立て直したのが1992年に総監督に就任したジェラール・モルティエである(後にパリオペラ座の総裁に就任)。

毎年、オペラのラインナップには必ずモーツァルトの作品が入る。モーツァルト生誕250年の年(2006)には22のオペラが上演された。近年では、2009に「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」、2010「ドン・ジョヴァンニ」、2011「コジ・ファントゥッテ」、2012「魔笛」、2013「ルーチョ・シッラ」「コジ・ファン・トゥッテ」。

参考:2017年度 ザルツブルク音楽祭のスケジュールはこちら(JTB)

◆公式サイト http://www.salzburgerfestspiele.at/

【ザルツブルクイースター音楽祭】

◆開催地:ザルツブルク(オーストリア)

◆期間:4月初旬~中旬の復活祭の間

◆概要:ザルツブルクイースター音楽祭(Die Salzburger Osterfestspiele)は、1967年にヘルベルト・フォン・カラヤンが設立。毎年イースター(復活祭)の期間に行われる音楽祭である。

日程は10日間ほどの小規模な音楽祭であるが、1つのオペラ、2つのオーケストラコンサート、1つの合唱入りのオーケストラコンサートという4日間の連続したツィクルス(Zyklus、連続演奏会)を、間に2日間の休日を挟み、もう一回くり返すというスタイルが定着している。

会場はザルツブルク音楽祭と同じ「祝祭大劇場」他。

夏のザルツブルクはウィーンフィル、イースターはライバルともいうべきベルリン・フィルが主役を務めていたが、2013年にティレーマンが総監督に就任してから、ドレスデン・シュターツカペレによる音楽祭となった。

2017年は音楽祭創設50周年記念となっており、ワーグナーの「ワルキューレ」のオペラの他、各地でのライヴビューイング等も行われる予定である。

参考:2017 ザルツブルク・イースター音楽祭 プログラム

◆公式サイト:https://www.osterfestspiele-salzburg.at/en/start.html

 

【ザルツブルク 国際モーツァルト週間】

モーツァルト週間は、毎年1月モーツァルトの誕生日(1月27日)をはさむ前後10日間に、国際モーツァルト財団により開催される、いわばモーツァルトの誕生記念のような音楽祭で、オペラやオーケストラ、室内楽、ソリストのコンサートが行 われる。

モーツァルト生誕200周年記念の1956年に創設された。毎年、ウィーン・フィルによる「レクイエム」が演奏される習わしがある。

世界的名声を博したニコラウス・アーノンクール、アンドラーシュ・シフ、マルク・ミンコフスキーのようなモーツァルト演奏家達や、ウィーン・ フィルハーモニー、ムジシァン・ド・ ルーブル、グルノーブル、ザルツブルク・ モーツァルテウム交響楽団、のようなオーケストラ、そしてハーゲン四重奏団やアーテミス四重奏団のようなアンサンブルやソリスト達が、この音楽祭の評判を ザルツブルクに定着させた。

コンサートは、モ-ツァルテウムの大ホール、モーツァルトの家、大祝祭劇場、モーツァルテウム大学で開催される。

*国際モーツァルト財団:モーツァルトの研究、記念館(生家と住家)の運営を行っている機関で、ザルツブルクを拠点に活動。

◆公式サイト:http://www.mozarteum.at/






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